就業規則のQ&A
2019年9月18日 水曜日
デジタル手続法案
神奈川県横浜市中区の馬車道にある社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
デジタル手続法案が今年の5月24日に成立いたしました。
正式名称は「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案」という長ーい名前です。
この法律案の理念に沿って、行政手続きを定めた法律や政令が改正され、行政の手続が次第にデジタル化されていきます。
行政の推進に当たって3つの基本原則があります。
①デジタルファースト:個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結する。
②ワンスオンリー:一度提出した情報は、二度提出することを不要とする。
③コネクテッド・ワンストップ:民間サービスを含め、複数の手続・サービスをワンストップで実現する。
人事労務手続のデジタル化としては、健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令(H30.12.28)、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(H31.3.8)によって、「特定法人」・・業種や従業員数に関係なく、資本金1億円以上の法人は令和2年度より下記の手続を電子申請義務化されています。
【健康保険・厚生年金】
①賞与支払届
②月額算定届
③月額変更届
【雇用保険】
①資格取得届
②資格喪失届
③高年齢雇用継続給付基本給付金
④育児休業給付金
【労働保険】
①概算保険料申告書
②増加概算保険料申告書
③確定保険料申告書
④石渡健康被害救済法一般拠出金申告書
※労働保険事務組合の処理は除く
今後は手続の一本化が始まり、書式では、令和2年1月1日より統一書式が運用開始となる見通しです。
電子申請では、令和2年11月頃を目標に、マイナポータルを活用した、新しいワンストップ型の電子申請の仕組みができる予定です。(e-Gov経由の電子申請も、当分は併存する予定)
例えば、社員の入退社などの業務は、政府認定のクラウド業者のクラウドに、従業員の情報をアップするだけで、企業の手続を不要にしていく方針です。
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|2018年12月28日 金曜日
面接指導が必要になる残業時間
神奈川県横浜市中区の馬車道にある社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
働き方改革では労働時間について、健康管理に関わる改正もなされます。
今まで、医師による面接指導が必要だった労働者の要件が、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が「100時間越」から「80時間超」に改正されます
労基法の改正で、2か月から6か月までの平均で月80時間を超えることは認められなくなりますから、1か月80時間を超えた時点で、次月の残業が80時間超えないよう対応するとともに、速やかに本人へ情報を通知し、産業医にも情報を提供しなくてはいけないことになります。
また、この面接指導制度は、管理監督者も含めますので、管理監督者の労働時間管理も必要です。
尚、面接指導は、従来通り労働者からの申出で行われるものであることに変わりはありません。
行なわない場合でも罰則の適用はありません。
この面接指導の対象には、新商品の開発業務につく労働者と高度プロフェッショナル制度対象労働者は入りません。
しかし、これら労働者については「健康管理時間」の残業時間要件で「100時間越」の場合、本人の申出がなくても面接指導を実施しなければならず、実施しなかった場合には、罰則の適用があります。
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|2018年8月26日 日曜日
副業・兼業の促進
神奈川県横浜市中区の馬車道にある社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
長時間労働を是正しようと、残業時間を極力削減してきた事業主様から、労働者から「残業代が減って収入が減ったので、副業を認めてほしい」という声が出ているとご相談がありました。
厚生労働省も、働き方改革実行計画を踏まえ、副業・兼業の労働時間管理の在り方に関する検討会を始めています。
政府方針としては副業・兼業を促進していく方向で、モデル就業規則の改定、複数事業所に就業している労働者の雇用保険適用、労災保険給付の適用拡大等が検討されているようです。
この「副業・兼業を促進」で最大の難関は現行の労働時間制度である「通算」の考え方です。
現行法では、例えばA事業所で6時間勤務した労働者が、その後B事業所で4時間勤務した場合、通算10時間の労働時間になり、8時間を超えた2時間分の割増賃金はB事業所が支払うことになります。
それぞれの事業所での労働時間については、労働者の自己申告任せで、通算時間管理についての正確さも問題です。
そうなると、事業主としては兼業労働者の雇用には消極的にならざるを得ません。
また、現在問題になっている「長時間労働」を助長してしまい、労働者の健康確保を阻害する恐れも出てきます。
今後、36協定で残業時間の上限が設定されるようになりますが、現在の通算ルールがそのまま維持された場合、副業先の労働時間を通算して労働時間の上限に達してしまった労働者には残業を命じられない、などという事態もありうるわけで、副業の認可の判断は慎重に行う必要があります。
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|2018年5月30日 水曜日
解雇予告手当のこと
神奈川県横浜市中区の馬車道にある社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
社員が会社のお金を横領したなどの案件で、即日解雇したいという話は年に何回か連絡頂きます。
事実の確認や、本人との合意がなされ、いざ解雇予告手当を支払うときに、いつ支払うかという問題が出てきます。
解雇は、少なくとも解雇する日より30日前に通告しなくてはいけないのですが、予告しない場合は解雇予告手当の支払い義務があるため、予告手当の支払いがなされるまでは解雇は無効と解されています。
すなわち即日解雇する場合は、解雇予告手当はその日に支払うことになります。
解雇予告手当の支払いが遅れると、支払日までの休業手当の支払いが必要になる事もありますので、ご注意ください。
また、解雇予告手当を支払わず、30日前に予告するときの、日にちの数え方は下記のとおりです。
起算日・・期間の初日は算入しない
(解雇予告日は算入されない)
満了日・・その末日の終了をもって満了
(退職日の終了(24時)をもって満了)
なので、6月30日に解雇の場合、5月31日予告すると6月30日(24時)に雇用契約終了です。
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|2018年3月6日 火曜日
インフルエンザと休業手当の支払義務
神奈川県横浜市中区の馬車道にある社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
今年はインフルエンザが大変流行しています
よく問い合わせをうけるのがインフルエンザに感染して会社を休んだ場合、会社は、休業手当の支払い義務があるかどうかということです。
インフルエンザで会社を休んだ場合、一般的には年次有給休暇を取得するケースが多いと思います。
この場合には休業手当の問題は発生しません。
入社したばかりで有休をまだ付与されていないケースや有休使い切ってしまった場合などに休業手当の支払い義務の有無が問題となります。
インフルエンザであってもその種類によって対応方法が変わってきます。
それが、新型インフルエンザと季節性インフルエンザです。
新型インフルエンザは、感染症法において2類感染症に指定されており、就業制限の対象とされ、都道府県知事や保健所より本人を外出させないよう協力要請があった場合は、休業手当を支払う必要はありません。
一方季節型インフルエンザは安全衛生法上で定める就業禁止の対象となる疾病(病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病等)には該当しないため、安衛法を根拠に就業を制限しても無給にできないため、休業手当の支払いが必要となります。
会社が休業手当の支払い義務がない(欠勤扱い)ケース
・本人が自主的に欠勤した場合
・医師の指示による場合
・感染症法により就業制限の対象となる場合(新型インフルエンザ)
休業手当の支払いが必要なケース
・季節型のインフルエンザのため会社の判断で休業させる場合
・医師の指示を超える長期的な休業を取らせる場合
・感染の疑いがある社員を休業させる場合
それ以外にも季節型インフルエンザの感染が確認できたにもかかわらず、労働者本人が働けると判断して出社した場合、会社が無理やり休ませたら休業手当が必要になると考えられます。
また社員の同居の家族が感染した場合についても会社が本人に対して自宅待機を命ずることは予防的措置になりますから、「使用者の責に帰すべき事由」に該当し、休業手当の支払いが必要となります。
休業手当を支払わなくてもよいケースに当てはまれば、手当を支給する義務はありませんが、インフルエンザに感染すれば1週間程度は働けない状況となります。
手当が出ないために無理をして、出社してくる社員もいるかもしれません。
周りへの感染の可能性も考えると、会社としては安全配慮の面から自宅待機を命ずる必要もあります。
有給とは別に病気休暇やテレワークなどの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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|2014年11月25日 火曜日
退職日の変更で予告手当が必要?
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
労働者が「退職したい」と言ってきたとき、会社側は突然な事で、戸惑うこともありますよね
とても信頼していて、何かと目をかけていた労働者だったりすると、裏切られたような気持になり、逆上して、本人が「1か月後の退職」を申し出ているのに、会社側で「明日から来なくていいから」などと言うと、労働者から「解雇された」と訴えられることがあるのです。
「退職日を変更しただけで、自己都合に変わりない」と思われがちですが、会社側の一方的な退職日の指定ですから解雇となり、即日解雇の場合など、30日分、または労働者の退職希望日まで、解雇予告手当も必要となります。
労働者が一方的に退職日を指定してきて、会社側は認めていないのに退職できるのか?という疑問があるかもしれません。
就業規則には、退職には会社側の承諾を必要とする旨の記載があったりしますが、実は効力はありません。
民法上、労働者は、期間の定めのない契約はいつでも終了することができ、退職の申し出から2週間経過すると自動的に契約終了になるのです。
解決方法は、労働者の希望する退職日まで雇用することになります。
労働者が退職を申し出たとき、冷静に退職日について話し合っていれば問題は起きないですよね。
短気は損気。自分もいろいろ気をつけなくてはと思います。
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|2014年10月29日 水曜日
電車遅延による遅刻時の賃金
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
今月に入り台風が2度も日本列島を直撃。全国各地で道路が冠水、土砂崩れするなど大変でしたね。
朝の通勤時間に電車が運休・遅延し、会社に遅刻してしまったという方もいらっしゃったのではないでしょうか?
さて、このような場合、遅刻した時間分の給料はどうなるのでしょうか?
遅れた時間については労働者は労務の提供をしていない為、ノーワーク・ノーペイの原則(働かなければ賃金は支払われない)により、その時間分は賃金の請求ができないということになります。
したがって、不就労分を賃金から控除しても法律上は問題はないでしょう。
もちろん就業規則等に「電車遅延などやむを得ない理由によって遅刻した場合は控除しない」旨定めておき、遅刻した分を支給してもそれは大丈夫です。
一般的には公共交通機関の乱れによる遅刻は正当な理由がなく遅刻した場合とは異なる為、遅延証明書を提出すれば賃金カットしないという取り扱いをしている会社が多いかもしれません。
もし、就業規則や賃金規程に特に定めなくこれまで慣習として賃金を支払っていたけれども、今後は遅刻控除するといった場合は、労働者に十分説明をし、合意を得て変更しましょう。
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|2014年8月23日 土曜日
就業規則の別規程
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
◆別規程は就業規則??
平成11年の労働基準法の改正により、別規程化の制限が撤廃されましたので、現在は、職種や雇用形態ごとに就業規則を作成したり、賃金規程など項目ごとに別規程を設けることができます。
このように自由に作成できるとなると、いったいどこまでが就業規則になるのでしょうか?
労働者が10名以上の場合、就業規則を作成・変更すると、労働者の過半数代表者の意見を聴取して労働基準監督署へ届出しなければならないため、就業規則の範囲が問題となります。
まず、労働基準法第89条で就業規則記載事項(就業規則に記載しなければならないこと)が定められていますので、これに該当する別規程は、就業規則の一部として取り扱われます。
【絶対的必要記載事項】(必ず記載しなければならない事項)
①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
②賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③退職に関する事項(退職の事由とその手続、解雇の事由等)
【相対的必要記載事項】(制度として設ける場合には記載しなければならない事項)
①退職手当に関する事項
(適用者の範囲、退職手当の決定、計算、支払の方法・時期)
②賞与等・最低賃金額に関する事項
③食費・作業用品等を負担させることに関する事項
④安全・衛生に関する事項
⑤職業訓練に関する事項
⑥災害補償・業務外の傷病扶助に関する事項
⑦表彰・制裁の種類および程度に関する事項
⑧事業場の全労働者に適用されるルールに関する事項
また、労働基準法第89条第10号では、「前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者すべてに適用される定めをする場合においては、これに関連する事項」(相対的記載事項の⑧)と定められていますので、労働者のすべてに限らず、一定の範囲の労働者のみに適用されるものであっても、労働者のすべてがその適用を受ける可能性があるものも、就業規則の範囲に含めて考えます。
そして、就業規則とは、「労働者の就業上遵守すべき規律および労働条件に関する具体的細目について定めた規則類の総称である」(厚生労働省労働基準局編 『労働基準法』労働法コメンタール)と定義されていますので、内容が労働者の規律や労働条件に該当する場合は、就業規則の一部になります。
つまり、『木』の幹になるものが『本則』、枝が『別規程』、幹と枝を合わせた『木』全体が『就業規則』になると考えるとわかりやすいでしょう。
◆別規程の位置づけ
別規程にする場合、本則を読んだだけでは、自分の労働条件を知ることができませんので、本則に『〇〇については別途、〇〇規程に定める。』という委任規定を置くとよいでしょう。
なお、よく本則に、『別に定める。』と記載しているのに、別規程が存在しない場合があります。
それでは、就業規則の一部が作成されていないことを意味します。今一度、別規程の取扱について見直ししてみましょう。
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|2014年8月14日 木曜日
情報漏えい対策と就業規則
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
先日、某企業で顧客名簿が流出した事件がありました。
個人情報保護法に違反した労働者に対して、就業規則に「個人情報を漏洩した場合に損害賠償をさせることがある」というの規程を盛り込んでも労基法で禁止されている損害賠償の予定の禁止違反にならないでしょうか。
個人情報を過去6ヶ月間に5,000件を超えて事業の用に供している事業者は「個人情報取扱事業者」として個人情報保護の規制を受け、個人情報の漏えいで損害を与えた場合は被害者から損害賠償を請求される恐れがあります。
労基法16条の損害賠償予定の禁止に違反しないかどうかという事ですが、同条は違約金を定め、損害賠償額を予め予定する契約を禁止しているだけです。
使用者が損害を被った場合にはその実損害に応じて損害賠償を請求する旨を取り決めても本条に抵触するものではないとされています。(1件につき○○円の損害賠償を請求すると具体的に定めていなければOKということです。)
会社としては、就業規則で、服務規律に秘密保持義務を定め、義務違反に対して懲戒事由と規定しておくことが必要です。また企業秘密の範囲を特定し、機密情報の保管・利用に関する管理体制を明記しておくことが重要です。
また、企業秘密の漏洩を退職金の減額・没収事由として規程おくことも、対策の一つです。
近年ではこの種の誓約書等は作成することが多くなっていると思いますが、入社時ないし退職時に「秘密保持誓約書」等作成し、取得しておくことも大事だと思います。
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|2014年7月7日 月曜日
契約更新時の労働条件の変更
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
ある、本を読んでいたら、こんなQ&Aの記事がありました。
何回か更新を繰り返してきた契約社員に、次期の契約の更新時に、会社の経営状態が悪化したため、労働条件を引き下げた契約を提示したところ。その契約社員は「引き下げられた労働条件について、争う権利を留保しつつ会社の提示した労働条件の下で就労することを承認する。」と言ってきた。この契約は更新されるのか?という質問でした。
つまり、給与額が下がった契約書を提示された契約社員が、「その給与では絶対納得できないので、後で争うかもしれないけれど、今はその条件で働きます。」と言った、ということですね。
「異議留保付き承諾」というそうですが、その場合、引き下げた労働条件での労働契約での契約更新はできず、期間満了により契約は終了するとのこと。
ただ、この労働条件の引き下げについては、合理的理由が認められない場合などは、従前の労働条件で契約が更新されたものとみなされる可能性もあるという回答でした。
契約社員と言えども、何回も更新している場合、更新時に条件等を下げるときは、きちんとした理由が求められるのですね。
気を付けないといけないです
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