●給与計算
2014年7月24日 木曜日
固定残業制
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
「うちの会社は残業を含んだ給与になっているから」というお話を聞くことがあります。
「含まれている残業代は何時間分でいくらなのか明示していますか?」と質問すると、
「えっ??明示はしていないけど・・」とのお答え。
さて、上記のような場合、口頭で残業込だと説明していたとしても、払っていないのと同じことになる可能性があります
それでは、どうして払っていないことになってしまうのか、割増賃金の固定払い制(定額払い制)が認められる要件を確認しましょう
① 基本給と固定残業手当の明確な区別があること
② 固定で支払う時間外労働時間数と残業手当額が明示されていること
③ 固定で支払う時間外労働時間数を超過した場合の差額支払がなされ、あらかじめ明示されていること
上記要件をクリアするには具体的にどうしたらよいか見てみましょう
① については、給与明細書などで「基本給:240,000円」「固定残業手当:56,500円」とわけて記載します。
② については、雇用契約書や給与辞令などで「固定残業手当:56,500円(時間外労働30時間分)」と記載します。
上記の固定残業手当は、たとえば時間外単価1,875円で30時間分を計算すると56,250円になりますが、この計算額を上回っていれば問題ありません。通常は端数処理で100円、500円または1,000円単位で切り上げます
③ については、就業規則に差額支払について規定し、超過した時間がある場合は別途支払います。
~規定例~
(固定残業手当)
第○条 固定残業手当として、○時間分の時間外労働手当を
月額で支給する。
2 前項の時間数を超過したときは、その差額を時間外
手当として支給する。
固定残業制はきちんと要件を満たせば問題のない制度です
ただ口頭で残業込と伝えたり、書面でも残業込とだけ記載した場合は、含まれる時間数や残業手当が明確にわからないため、固定残業とみなされません。(この場合、残業代込の金額から割増賃金を算出するため、単価が高くなってしまいます)
上記要件をご確認いただき、就業規則等を整備してみてはいかがでしょうか?
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