11.安全衛生
2013年7月1日 月曜日
健康診断後の再検査
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
健康診断の結果、再検査となった場合、会社としてどのように対応するのか決めてますか?
決めてない場合は、下記を参考にしてルールを定めましょう。
人事担当者:
定期健康診断の結果、再検査の人が出てしまいました。再検査の費用は会社負担ですか?
社会保険労務士:
安全衛生法で会社の義務と定められている定期健康診断と違い、再検査については法律の定めがありませんので、①再検査にかかる費用をどちらが負担するか、②再検査の日を有給とするかについては、就業規則の定めや労使間の協議に従うことになります。
人事担当者:
うちの就業規則には再検査の定めはないし、労使間で協議したこともありません。
社会保険労務士:
では、ちょうどよい機会なので、健康診断後の再検査について、まずは通達を出しましょう。
内容は、『再検査にかかる費用は、自己負担、再検査で休む場合は、年次有給休暇を取得して下さい。』などとのせるとよいでしょう。
御社の場合、法改正の場合は、法改正の都度、就業規則を改定、法改正以外の場合は、先に通達を出して、3月にまとめて改定作業となっていますから、来年3月に就業規則に追加しましょう。
人事担当者:
再検査の費用は自己負担と言ったら、めんどくさいから受けないと言い出した従業員についてはどうしたらよいですか?
社会保険労務士:
「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」というものあります。
指針は、こう言っています。
「再検査又は精密検査を行う必要がある労働者に対して、当該再検査又は精密検査の受診を勧奨するとともに、意見を聞く医師等に当該検査の結果を提出するよう働きかけることが適当である。」
なので、健康診断の結果、再検査、精密検査が必要となった従業員に対しは、受診するよう働きかけて下さい。
ところで、何の検査で異常所見が出たのですか?
人事担当者:
それが、血圧、血糖検査とかいろいろです。なのに再検査を受けないと言い出したので心配になったのです。
社会保険労務士:
『二次健康診断等給付』って聞いたことがありますか?
脳血管や心臓の状態を把握するための二次健康診断と脳・心臓疾患を予防するための保健指導を、受診者の負担なく労災保険の給付で受けられる制度なんです。
一次健康診断で次のすべての検査項目について異常の所見があると診断された場合に受けられます。
①血圧検査
②血中脂質検査
③血糖検査
④BMI(肥満度)の測定
人事担当者:
あ、まさに①から④までの検査で所見ありになってますね。
再検査の費用はかからないから、受診して下さいって勧めてみます。
ところで、これは労災給付なんですよね?保険を使うことによって、労災保険料が上がりませんか?
社会保険労務士:
安心してください。二次健康診断等給付は、保険料が上がったり下がったりする仕組みのメリット制に影響しないため、給付を受けたからといって保険料が上がることはありません。
★手続き方法
二次健康診断等給付を受けようとする労働者の方は、①二次健康診断等給付請求書(様式第16号の10の2)に必要事項を記入し、②事業主の証明を受け、③一次健康診断の結果を証明することができる書類(一次健康診断の結果の写しなど)を添付して、当該請求書を健診給付病院等を経由して所轄の都道府県労働局長に提出してください。
★注意点
1.原則として一次健康診断の受診日から3ヶ月以内に請求を行う必要があります。
2.年度(4月1日から翌年3月31日まで)に1回のみの給付となります。
2.都道府県労働局長の指定を受けた医療機関等でなければ受けられません。
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