04.服務
2014年8月14日 木曜日
情報漏えい対策と就業規則
横浜馬車道の社会保険労務士法人ユナイテッドブレインズです。
先日、某企業で顧客名簿が流出した事件がありました。
個人情報保護法に違反した労働者に対して、就業規則に「個人情報を漏洩した場合に損害賠償をさせることがある」というの規程を盛り込んでも労基法で禁止されている損害賠償の予定の禁止違反にならないでしょうか。
個人情報を過去6ヶ月間に5,000件を超えて事業の用に供している事業者は「個人情報取扱事業者」として個人情報保護の規制を受け、個人情報の漏えいで損害を与えた場合は被害者から損害賠償を請求される恐れがあります。
労基法16条の損害賠償予定の禁止に違反しないかどうかという事ですが、同条は違約金を定め、損害賠償額を予め予定する契約を禁止しているだけです。
使用者が損害を被った場合にはその実損害に応じて損害賠償を請求する旨を取り決めても本条に抵触するものではないとされています。(1件につき○○円の損害賠償を請求すると具体的に定めていなければOKということです。)
会社としては、就業規則で、服務規律に秘密保持義務を定め、義務違反に対して懲戒事由と規定しておくことが必要です。また企業秘密の範囲を特定し、機密情報の保管・利用に関する管理体制を明記しておくことが重要です。
また、企業秘密の漏洩を退職金の減額・没収事由として規程おくことも、対策の一つです。
近年ではこの種の誓約書等は作成することが多くなっていると思いますが、入社時ないし退職時に「秘密保持誓約書」等作成し、取得しておくことも大事だと思います。
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